君は僕の精神安定剤



ある日の午後、僕が廊下を歩いている時だった

何やら遠くから争う声が聞こえる


はあ、折角今日はいつもいる女共がいないからゆっくり出来ると思っていたのに…


教師、生徒、学校全体の僕の評価を上げる為仕方なくそちらへ足を向ける

こんな時ほど監督生が面倒だと思う事はない

少し歩くと思った通り其処には言い争う生徒達

どうやら毎度同じ獅子寮と蛇寮の争いだった

獅子寮が2人に蛇寮が3人


「マグル生まれや混血如きが純血の俺達に文句があるらしいぞ」


その内の1人が言うと他の2人が嘲う


「純血純血純血って血しか取り得の無いお前らになんか何が出来る!!」

「去年怯えていた奴らこそ何が出来るっていうんだい?」

「てめぇ!!」


その言葉に獅子寮の1人が胸倉に掴みかかる


「丁度良い。もう怪物はいないが俺達が代わりにその穢れた血をきれーにしてやるよ」


杖を取り出す蛇寮の3人


イラつく…


「君達、それ以上やるんだったら僕はそれなりの処置を取らせてもらうよ」


僕の言葉に一斉に振り返る5人


「とっトム!」

「さあ早く自分の寮へ帰るんだ」


それは有無を言わせない言葉


「仕方ないなトムが言うなら…」


そう言って獅子寮の2人は自寮へと帰って行った


「おい、お前ら」

「はっはい!」

「余計な事はするな」


そう僕が一言睨みをきかせると3人は震え上がった


「申し訳ありません My Lord」

「次は無いぞ」


イラつくイラつくイラつくイラつく


一刻も早く人のいない所へ行きたかった



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禁じられた森の裏口近くの巨木の側

ここなら滅多に人は来なかった


僕らしくない、あの程度の言葉で同様するなんて…


けれどこの身には確かに忌々しい穢れた血が流れている


「くそっ!」


中々収まらないイラつきに拳を幹に打ち付ける


「リドル…こんな所まで何しているの」


聞き覚えのある声に振り向く


…」


そこにはかつてない程自分が欲した少女がいた


「そういう咲耶こそどうしてこんな所まで?」


僕は必死にこのイラつきを悟られないよう彼女に笑みを向ける


「あなたの魔力が乱れていたから。それに嘘なんて付かないで」

「そんなにいつもと違うかい?」

「ええ、あなたらしくないわね」


そう言って彼女は僕の方まで歩いてくる

そして僕の目の前で立ち止まった

そのまま彼女は僕に両手を差し出す


「リドルおいで」

「はあ?」

「おいでリドル…」

何の冗談だい」


普段の彼女では信じられない行動に僕はただ驚くだけ


「人間なら誰だって不安定になるわ。普段から気を張っているあなたなら尚更よ。

 でもあなたはそれを他人には見せたがらない。そしてあなたはそうやって自虐的になるばかり」


彼女の目線はつい先ほど幹を殴った右手へと向いた


「身体だけじゃない。精神もどんどん削れていく…」


淡々と言葉を発するその唇


「この私が気づかないとでも思ったの?」


そして彼女は微笑む


「それともなあに?今更恥じらいでもあるのかしら?一時期は嫌と言うほど寄ってきたあなたが」

「参ったなあ…でも…それこそ僕が欲しかっただよ」


そして僕は自分よりも小さなその腕の中に抱きついた



微睡の中、微かに聴こえたのは彼女の美しい音色だった






☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆あとがき☆゜・*:.。.☆゜・*:.。.☆

よく考えたら初ハリポタ短編です。
年代は6年生中盤。主人公とリドルは付き合っていて欲しいな〜
というのは願望です

07.01.30