時は恐らく丑の刻、そしてここは私の主人であるサソリ様の部屋の前だ。
サソリ様は今新しい傀儡を作っている。
主材料は人間、確か今回の材料は誰かの部下だった女の筈だ。
私は普段から周りとはあまり接触しない為誰の部下かなんて関係なかった。
サソリ様によるとどうやら任務に失敗したらしく、どうせ殺すなら材料にするからと言って貰ったらしい。
人傀儡を作るのは難しく、傷が付かぬ様殺し方一つにも注意しなければならない。
私はよくサソリ様からその命令を受けるのだが、今回はサソリ様自身でやった。
只でさえその女は自身の最期に怯えていたらしいが殺した後を見せて頂いたが抵抗の跡は見えなかった。
どうやって殺したのか聞いてみたところ、サソリ様は単に女に向かって笑っただけたしい。因みに私の真似だと言っていた。
その女は何を勘違いしたのか・・・気を抜きあっ気なく、だそうだ。
まあ女はまだ良い方だ。何といってもサソリ様の傀儡となれるのだから。死んでも役に立つ事が出来るなんてどれほど幸せだろうか。
ふとサソリ様を考えてみた。
サソリ様はとてもお優しい。他人に対してなどはどうでもよかった。
私を抱き締めてくれる腕は、たとえサソリ様の身体が傀儡だとしてもとても暖かなものだからだ。
・・・サソリ様の部屋から音が止まった。どうやら終わったらしい。
「、入って来い。」
「はい、サソリ様。」
部屋の中にはやはり、あの女の傀儡があった。
「流石サソリ様です。今回も素晴らしい出来ですね。」
「ああ、そうだろう。」
サソリ様はそう言うと完成したばかりの傀儡を愛でるかの様に見る。
でもその表情はいつまでも続く訳でもなく、すぐにいつもの表情・・・いや、いつもより無表情へと戻る。
「サソリ様・・・」
サソリ様の傍まで近づく。
「。」
いつもの様に私を抱き締めてくれるサソリ様。
「サソリ様、はここにいます。これからもずっと、ずっと。」
そしていつの日か私の事も・・・
「っ。」
私の頬に手を添え私の名を呼ぶ。
こうする時はサソリ様は私に笑って欲しいんだと言ってくれた。
「はい、サソリ様。」
いつか訪れる日まで、私はサソリ様の為だけに笑うのです。
私が微笑むその瞬間のサソリ様は私だけのもの。
だから私は笑うのです。
愛しい愛しいサソリ様・・・私はあなたの為だけに――
狂った王子に微笑を
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆あとがき☆゜・*:.。.☆゜・*:.。.☆
サソリ短編第二段?今回はシリアスですね。
あまりにもストレスが溜まっていた為現実逃避として書き上げた即席物。
本当はもうちょっと違ったんだが…まぁいっか。
私の中ではサソリ=ツンデレ王子です。
足りないところは皆様の想像にお任せします。
06.9.23