紅い石を貴方に――
11月8日、その日もいつもと同じように気だるい身体を起こす。 時計を見るといつもと同じ時間、そして程なくして隣の部屋から聞こえる爆発音に騒がしく通路を走る音。 ……3・2・1 「デイダラー!!!」 「ぎゃーー!!」 かん高い女の声と騒ぎの張本人の悲鳴が響いた。 ああ…また今日も一日が始まるのだ…… 頭を掻きながら扉を開けるとそこにはデイダラを締め上げるがいた。 「朝からうるせぇなぁ……」 「あら、早いお目覚めで。 もう11時ですけどね」 嫌味ったらしく言いながらも、その手の力を緩めようとはしない。 「・・・オイラもうギブ……」 その言葉を聞くとは満足そうに手を離す。 同時にどさっとデイダラが床に落ちた音がした。 そしてこれが終わるとコイツはリビングなり自室なりへと帰るのだが、今日は何故だかオレの前でその足が止まったままである。 「ん、どうかしたか?」 「いや…サソリ、あんた今日暇?」 とりあえず頭の中で予定は無いか考えてみるが、今日はこれといって任務も用事も無かった。 「特に無いが」 「そう…じゃあ今日の6時に私の部屋に来てくれないかしら」 「今じゃダメなのか?」 珍しい事もあるものだ。コイツが人を自室に呼ぶなんて。 「私これから出かけるのよ。 6時前には帰るから」 「ああ、わかったよ」 そう言って返すとは少し口元を緩め自室へと戻っていった。 床には未だにデイダラが転がったままだった。 それからいつもの様にヒルコの整備をし、薬草やらを採りに行ったりと、それなりの時を過ごした。 ふと時計を見ると時刻は5時を過ぎたところ。 そういえば6時にのところへ行くのを思い出し立ち上がる。 アイツはまだ帰ってきていないみたいだが、部屋で出迎えて驚く顔を見るのは悪くはないだろう。 ドアノブを回し扉を押す。鍵はかかっていなかった。 「ったく、無用心だな」 部屋に入ると必要最低限の物の他に机やら本棚やらが置いてある。 そして目に付いたのが日めくりカレンダーだった。 今日の日付である8日には二重丸がついており、その下には何か文字が書いてあった。 近づいて見てみると、そこには 「サソリの誕生日」 と書かれていた。 日めくりというと、カレンダーの中でも群を抜いて予定が書きづらい物だというのに…… そのせいか、何だかどうしようもなくアイツが可愛く思えた。 アイツのことだ、書いている途中にうっかり手を離して…なんていうの十分あり得るだろう。 「可愛らしいところあるじゃねぇか」 そして丁度いい具合に音が部屋の主の帰宅を知らせた。 「よぉ、遅かったな」 「ちょっと! なんでアンタが部屋にいるのよ!!」 思っていた通り、目をぱちぱちさせているがいた。 「なんでって、お前がオレを呼んだんじゃねぇか」 「でも6時って言ったじゃない! アンタ待つのが嫌いだから絶対に帰ってる時間にしたのに!」 ホントに珍しい、コイツはいつにもなく慌てている。 まぁ理由はなんとなくわかっているけど、カマかけてみるか。 「それにしても…… お前にも可愛らしいところあるんだな」 は一瞬きょとんとするが、オレの後ろの物が見えたのだろう。盛大に慌てふためいている。 「ちっ違うわよ! 誰がアンタの誕生日なんか!!」 「オレは誕生日のことなんか一言も言ってねぇぜ」 墓穴を掘ったことに気付いたのだろう。は悔しそうに顔を歪ませた。 「諦めたらどうだ?」 勝ち目がないと思ったのだろう。 きつく睨みつけていた視線から少し力が抜けたのがわかった。 「最初に言っておくわ! 偶然よ! 偶然なんだからね!」 そう言って一歩近づいてくる。 「手出しなさいよ!!」 「ほぉ、わざわざプレゼントまで用意してくれてんのかよ」 わずかに動きが止まっただが差し出した右の掌に小箱を置いた。 「開けてもいいか?」 「どうぞ!」 ふいっとそっぽを向いているを片目にリボンがされたソレをといていく。 出てきたのは紅い石の首飾りだった。 「これチャクラ石か?」 その名の通りチャクラから精製された結晶である。 「ホントに偶然なんだからね! たまたま寄った店でみつけて… それで…… その…… アンタの髪みたいだったから……」 視線を石からへと戻すと、石に負けないくらい赤い顔をしていた。 「何よ! 気に入らないならそれ返してよ! 私が使うから!!」 ムキになってずいっと近よってくるの顔は変わらず赤いままだ。 「イヤだ。 コイツはもうオレのもんだ」 「あらそうですか! それは残念だわ!」 同時に後ろを向いてしまったを見て思わず笑いがこぼれる。 「おい」 「何かしらサソリさん!」 そしてオレはそっとの耳元に近づく。 「あとでお前の誕生日教えろよ。 最高のもんくれてやるよ」 「っ!!」 そう言って片耳を押さえたままのの横を通り過ぎる。 ああ何をあげようか…… 今から楽しみでたまらないな…… 「さっ…… サソリーーー!!!」 後ろからの叫ぶ声が聴こえた。 |
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆あとがき☆゜・*:.。.☆゜・*:.。.☆
| 1ヶ月遅れてしまいましたが、サソリ誕生日記念です。 誕生日を忘れるなんて一生の不覚orz デイダラは友情出演です(笑) 12月いっぱいフリーです。 08.12.08 |