グリンゴッツ銀行でお金を下ろした私たちは座れる場所を探していた。


、大丈夫かの?」

「今立っている事が不思議です」


気持ち悪い……吐きそう……

あれが本当に乗り物なの?

こっちの人たちは移動鍵といいトロッコといい、こういう乗り物は普通なの……


「おっおじ様は平気なのですか……」

「わいかい? わしはもう慣れっこじゃからのう」


慣れって恐ろしいわ……


ベンチがあった、さあ早く座りなさい」

「ありがとうございます」


私はふらふらとした足取りでベンチに座った

日もだいぶ高くなってきた

時刻は多分お昼くらいだと思う

ジリジリと太陽が肌に焼けつく

黒髪は熱を吸収するから性質が悪い

早めに出てきて正解だったかもしれない

確かに日本の夏よりは過ごしやすいが生憎私は日光というものに耐性がない

何故ならほとんどを家の中で過ごしていたので、外に出たことなど両手で足りるくらいだたった

何か日を遮るものを買わないといけないわね……


「ほら、お食べ」

「えっ?」


おじ様がくださったのはアイスだった

いつの間に… と思ったら目の前がアイスクリーム屋だった


「ありがとうございます」


目の前のものにも気づかないなんて、そんなに私疲れているのかしら

アイスを口にするとバニラの味がした


「おいしいかね」


私はこくんと首を振った


「それは良かった」


アイスを半分ほど食べたときだった

一羽の梟だと思う鳥がおじ様へ手紙を落とした

おじ様は手紙を真剣な顔で読み始めた

そして大きなため息をついた


すまない、どうやら急用が入ってしまったようじゃ」

「気にしないで下さい、十分すぎる程です」


おじ様は悲しいそうな顔で私にそう言った

本当に十分なのに……

少なくともここ数年でも最も意味のある時間だと思った


「せめて必要な物を全部買うまではいたかったのじゃが……」

「仕事なら仕方ありませんよ」

「あっちについたら手紙を出すからの」

「はい、私もお返事書きますね」


ほんの少し寂しいと思うのはきっと気のせいではないだろう


「帰り方はわかるかね?」

「はい、大丈夫です」

「そうかそうか」


おじ様はぽんぽんと私の頭に手を置き、家に来たときのように消えていった

買い物に来る人が徐々に増えてきた

今日はもう帰ることしにた

ローブは明日でも問題ないだろうから


私の世界がまた大きくなった










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08.05.28