あの日から一月、木の葉潜入への根回しは終わりを迎えていた
向かう先は宿場町、情報が確かなら木の葉へと向う旅商人が何処かにいるはずだった
ちなみにの今の外見は青年男性から十歳前後の少年の姿へと変化している
理由は簡単だ。大人より子供の方が警戒されないし身元も割れにくい
しばらく尋ね歩くと目的の商人のいる宿へと辿りついた
部屋の番号を聞き商人のいる部屋をノックした
「一体誰だ」
中から出てきたのは中年の男だった
ここからがの本領発揮である
「お前さん何か用かい?」
「僕を木の葉まで連れて行って下さい!」
「はあ?突然なんだい」
唖然とする男に目を伏せながらは話し出した
「実は母が病気で……木の葉には優秀な医師がいると聞きました。だから僕が木の葉まで行って医師を連れてくるんです」
「父親はどうしたんだ」
「父は僕が生まれて間もない頃事故で……」
「そうか。でも急に言われてもなあ」
「連れてってくれるだけでいいんです!食べ物とかは全部自分でなんとかしますから!!」
男はじっと黙ってをじっと見つめていた
「よし、わかった……お前さんを木の葉まで連れて行ってやるよ」
「あっありがとうございます!!」
は瞳を輝かせ子供特有の無邪気な顔で笑った
――様に男には見えただろう
「お前さん名前はなんつーんだ?」
「です」
「じゃあ、出発は明日の朝八時。宿場町の入り口で待ち合わせだ」
「はい!わかりました!」
「遅れたら置いていくからな」
そういう男は部屋へと戻っていた
はさっと向きを変え歩き出す
この時上機嫌に階段を下りる彼を何人かの人々が見ていたが、皆何か嬉しいことがあったに違いない――
と、微笑ましげに見ただけだった
そう、口元の笑みに薄っすらと狂気が混じっていた事を誰も知りはしなかった……
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