気がつくとそこは見知らぬ白の空間だった 部屋ではない。空間である ―どうしてこんな所に……そもそもオレは誰だ? いつまでも座り込んでいる訳にはいかず、途方に暮れながらも歩き始めた ―**--**--**--**--**--**--**--**--**― ただ限りない白の空間を歩く 「あら、もう目が覚めたの?」 そこにはさっきまでは絶対にいなかったはずの少女がいた 「君は誰?」 真っ白な服に漆黒の髪 少女はこの空間に異様なまでの存在感を示していた 「私はあなたの記憶。これから少しずつ思い出させてあげるから有難く思いなさい」 「記憶?君が?」 「そうよ、まずは1つめ。今のあなたは仮の姿よ」 「え?それってどういう事?」 「そのままの意味よ。じゃあこれで一旦お別れ」 そして少女は180度向きを変え歩き出す が、ぴたりと足を止め振り向いた 「言い忘れていたわ、私のことは絶対に人に話してはだめよ」 「ちょっと待って!」 しかし制止した声にかまうことなく少女は消えていった 「何だって言うんだ一体……」 ―なんか眠くなってきた ―**--**--**--**--**--**--**--**--**― 「んっ……」 再び目を覚ますと、今度は空間でなく白い部屋だった 「気付いたようだね」 声のほうを振り向くと白い服を着た男がいた 「あの……」 恐る恐る声を出す 「どうした?」 「ここはどこですか?」 「ここかい?ここは木の葉の里の木の葉病院だ」 「ここが木の葉の里?」 ―なんでオレ木の葉なんかにいるんだろう 「ああ、ところで君の名前は?」 ―オレの名前?やっぱりわかんないや 「すみません…僕自分の事何も思い出せないんです」 「なっ!やっかいだなぁ……」 男は目を見開いて呟いた そして部屋の入り口を少しだけ開けた 「例の子供が目を覚ました。火影様に連絡を」 「わかった」 どうやら外にいる人に伝言のようなものを頼んだようだ 「直に火影様が来るだろうからそれまでまた少し寝ていないさい」 「えっでも眠くない」 「目を閉じれば眠れるはずさ」 ―する事もないし…仕方ないか ―**--**--**--**--**--**--**--**--**― 目を閉じてしばらくするとまたあの白の空間にいた 「おかえり。とでも言っておこうかしら?」 「君は……」 そこにはあの少女がいた 「どう?何も分からなかったでしょ?」 「本当に何も分からなかったよ…」 はぁ。とため息をついた 「じゃあ今度はそうね…名前を教えてあげる」 「本当かい!?」 思わぬ言葉に勢いよく顔を上げた 「ええ、あなたの名前は。よ」 ―…それがオレの名前 するとたった今聞いたはずのその名がやけにしっくりきた まるでパズルのピースが1つはまったかのように…… 「どう?少しはスッキリしたかしら?」 「うん、思ったより効果的。さっきとは随分気分が違うよ」 「そう、それは良かったわね」 そう言って彼女はくすりと微笑った 「でもそろそろ目覚めなくてはいけないみたいね」 「えっ?もうそんなに時間が?」 体感時間ではホンの数分の気分だ 「ここと現実では時間の流れが違うの」 「へ〜そうなんだ」 思わず感心してしまう 「じゃあまた今度、さようなら」 |