「あら? またきたの?」


その声によって俺は再び目を覚ました。


「いったい何かしら? あたなに新しく教えることは何もないのだけど」


そこには相変らず足を組んで座っている彼女がいた。

俺はパッと顔を上げ彼女に頼み込んだ。


「そんな!? お願いだ! 1つでいい、1つだけ教えてくれないか!!」

「……まあそれなら考えてもいいわ」


そう言って彼女はとても面倒くさそうに承諾してくれた。


「で? 聞きたいことって何?」


真っすぐに俺を見る2つの目は普通の子だったら絶対にしないようなものだ。

しかし怖気づいてはいられない。

あの商人は俺の父親なのか?

そう言いたいのにその問いは中々口からでてはくれない。


「あのさ、俺と一緒にいた商人ってその……」


もし商人が俺の父親だったら…俺は独りきりになってしまうのか?

ここで俺を知っているのは彼女だけしかいないのだ。

自分がわからないというのはこんなにも辛いことなのか……


「あぁ、あの男ね。あれはあなたの親なんかじゃないわ。赤の他人よ、安心なさい」

「ほっほんと?」


よかった! 本当にほっとした。

しかしそれと同時にもう1つの疑問が浮かんだ。


「じゃあ俺の本当の親は一体……」


だがそれに対する彼女の反応は無情だった。


「1つだけ……でしょう? それにそのことはどの道は今教えることはできなわ」


そして彼女は立ち上がった。


「これで満足したかしら? しばらくはこの木の葉でゆっくりすればいいわ」

「え!? ゆっくりってちょっと!!」


こっちは記憶がなくてそれどころじゃないのに!


「それじゃあね


くすりと笑った彼女を最後に俺の意識はまたなくなった。







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08.08.23