「ではホームルームを終わりにします」

「起立。礼」


担任の宣言のあとさようならーっという声と終ったーという声があちらこちらから聞こえる



「ふぅ、今日も一日終ったわ」


ため息をつく彼女もそんな1人である


早々と仕度を終え教室を出ようと鞄を持ったときだった


「ねぇ ちょっとお願いしてもいい?」


聞きなれた声に呼び留められ振り返るとそこにはやはり見知った顔があった


「どうしたの、そんなに改まって」


ホントは何となく分かってるけどあえて聞くのは私と彼女の一種の確認


「あのね勉強教えてほしいんだけど」


そして彼女の両手を合わせて必死に頼み込む仕草もまた同じ


―今日は特に用事もないか


「ええ、わかったわ」

「ありがと〜。感謝します」


私がそう言うとはすごく嬉しそう笑った


よくある光景

よくある日常


―今日はどこで勉強しようかしら


そんなことを考えいた時であった


「あ、それとね今日は私の友達の家でやりたいんだけど…ダメかな?」

「えっ?」


一瞬耳を疑った

私ははっきりいって人見知りがものすごく激しかった

もちろんそのことはだって知っている


―知らない人は苦手だけどの頼みだし……


がそこまで言うのなら……」

「本当に!ありがとう!」


この日々が私の宝物だ

この日々が変わることなんてありえない




影は音もなく忍び寄ってくることも知らずに……







 

〜変わるはずの無かった日常〜








私とは通学路から少しそれたわき道を歩いていた


「ねぇ。ここってあまりいい噂聞かないところよね?」

「ぅ・・・うん。でもここからの方が近いし、それにまだ明るいし」


確かにそうかもしれないが嫌なものはやっぱり嫌である


「なら早く行きましょう」


一刻も早く普通の路地へ出たい私は彼女を急かした


「お嬢さん達、そんなに急いでどこ行くの〜?」


はっとして後ろを振り向くと、そこにはがらの悪そうな3人の男達がいた


「あれ〜その制服ってもしかして学院のやつじゃね」

「おっ何何?じゃあ君達ってすっごく頭いいんだー」


そう言いながら徐々に近寄ってくる男達


…どうしよう……」


は震えて既に涙目になってた


「おーい、お前のせいであのコ泣いちゃいそうだぜぇ」

「はぁ!?俺のせいかいよ!」


そんな会話が目の前で繰り広げられているが、私の耳には入ってこない

今はただどうすれば逃げられるかを考えるだけだった


「ほら、もう1人の美人さんもすっごく怖い顔してるよ」


それでも彼らの近寄ってくる足は止まらない

―今2人で駆け出したとしてもきっと捕まってしまう

そう考えると採るべき行動は一つだった

私はの背中を軽く叩いた


……?」


は不思議そうに私を見た


「大丈夫、私を信じて」


そしてすっと息を吸い叫んだ


!走れ!!」


その瞬間は一目散に走り出す


「あっ待て!」


それを見た男達も走り出そうとした


「そうはいかないんだから」


私は先頭の男を蹴り上げた


どさっ男が地面へと倒れこむ


「ってぇー!!このアマ!!」


思わず身体か硬直する


―コワイ


それでも耐えるしかない

私が出来ることはを逃がし、そして助けを呼んでもらうのを待つだけだ


「おい!その女押さえつけろ!」


蹴られた男が残りの2人に向って声を荒げる


「そんなの言われなくてもわかるっつうの」

「こっちは逃がせないからなぁ」

「こないで!」


ちょっとした護身術なら教わったことはあるが、男二人相手にするには限界がある


「きゃっ」


しばらくすると倒され3人がかりで地面に押し付けれる


「このってこずらせやがって!」


自分の顔が恐怖に染まっていくのがハッキリと分かる


―コワイ、コワイ


「イヤッ!!離してっ!!」


―イヤダイヤダ


必死に抵抗するが両手両足を抑えられた今それも無意味だった


そして男が怪しく笑った


「あきらめなって、その方がずっと楽だって」

「なあ順番どうするよ」

 
―コワイ、イヤダイヤダ


「まずは俺だろう?だって蹴られたし」

 
男の手が私の服にかかる
 

「イヤッ!離してっ!!」


それでも行動は止まるはずもなかった。


「こんな事をしてただですまないのは貴方達の方よ!!」


―そう、きっともうすぐが助けを呼んでくれる


その思いが今のを繋ぎとめていた


しかし次の言葉は予想もしない言葉だった……


「あーそれはないない」

「だってねぇ?」


男達はニヤニヤと笑う


「あの逃げた方の女。だっけ?あいつは助けになんかこねーよ」

「あの子は絶対助けを呼んでくれるわ!」


きっと抵抗させないようにする為に違いない

そして目の前の男達を軽蔑した目で見る


「嘘をつくならもっとマシな嘘をつきなさいよ!」

「じゃあさじゃあさ。どうしてちゃんはこないのかなぁ?」


―何でそんなこと言うのよ


「ホントは教えちゃだめっ。て言われてるけどちゃんには特別に教えちゃ〜う」


背筋が凍った


「どうして…私の名前知っているの……」

「だって俺達頼まれたんだもん」

「頼まれたって何をよ……」


これ以上は聞いてはダメだと何かが警告する


を…この状態見れば分かるよねぇ?」


―信じたい


今の私…それはこの男達に暴行されそうな寸前


「一体誰に言われたって言うのよ!」


―お願い…私はもう


「誰ってあのって女に決まってるじゃ〜ん」


―ウソダ


「うそだ・・・」


知らずと言葉が漏れていた


「うそよ、うそ、そんなのうそよっ!!」


がウソダソンナノウソダ


頭はただ混乱するばかりだった


―そんなはずない!
 

「さぁてお楽しみはこれからだぜ さん?」

 
顔から血の気が引き恐怖が体中を取り巻いた
 

「いやっいやっ・・・」


―コワイコワイコワイタスケテタスケテ


頭を振り抵抗するがそれも虚しかった


が私を裏切るはずなんてないんだ!!
 

恐怖で涙が溢れてきた


―私の宝物…かけがえのない毎日

―どうして奪うの?


疑問は憎しみ、怒りとなって溢れだす

 
―お前達さえいなければ・・・


その憎しみと怒りは目の前の者達へと向けられた
 

「怖い怖いそんな目して、諦めればいいのに」


ははははは


嘲笑が頭に響く

 
―私は今までどおりでいれたのに

 
「うわっ」


男が飛び離れる


「おい、どうしたんだ?」


―どうして、どうして私ばっかり・・・  

―やっと手に入れた日々なのに

 
「いや、今静電気みたいなのがばちっと」


体が熱くなっていく、止めることのできない思い


―ナンデミンナジャマヲスルノ


「おっおい…そいつなんかおかしくね」
 
「お前等なんか、お前等なんか……」


体に何かが纏われていく感じがした


そしてゆっくりと身体を起こし立ち上がる


その只ならぬ気配を感じ男達の顔がみるみる青ざめていく

 
彼らは一歩また一歩離れていく

それでも近づいていく


「やめろっ、やめてくれ・・・たのむっ」


―ナンテミニクインダ


そんな言葉は届くはずもなっかた


―キエテシマエ


口元がつり上がっていく感じがした


「お前等なんか――キエテシマエ」



次の瞬間何かが一気に爆発し、光で辺りが一瞬にして明るくなった

BACKNEXT