決意〜始まり〜



しばらくはただただ泣き続けていた

けれど次第に落ち着きを取り戻し、自分を慰めてくれている暖かさを改めて感じ、ふと上を見る


「!!!」


ドン


「うわっ」


何が起こったのかよく分からなかった・・・

上を見たら彼がいて、すっごく驚いて・・・


「あっ・・・」


彼を突き飛ばしていた・・・

しかも思っていた以上に離れた場所にいた


「ごっごめんなさい、大丈夫ですかっ?」

「あぁ、気にしなくていい。体は鍛えているからね」


そう言ってイオスは少々痛そうに体を起こした


「それより、君の方こそ大丈夫なのかい?」

「私ですか?」


自分の事より人の心配か・・・

やっぱり優しい人だと思う


「おかげ様で大分」


何はともあれ彼のおかげには変わりない訳で・・・


「そうか、よかった」


その笑みは凄く綺麗で、思わず彼が男性という事を忘れてしまいそうになる


「・・・・・・ごめんなさい」

「え?」

「ごめんなさい。助けてくれたのに私酷いことを沢山言ったから・・・」


思い返してみると殆ど思い出せなかったが、突き刺す様な攻撃的な言葉を言った事は何となく覚えていた


「なんだそんな事か、それなら気にする必要なんてないさ」

「でも、それじゃぁ」

「君も気が動転していただけなのだろう?過ちは誰にでもあるさ、生きているんだからね」


生きているから・・・


「死んでしまっては何も残らない。自分の記憶も感情も・・・全てが消えてしまうのだから・・・」


そう、それを奪うという事はとてもとても辛い事


「だからこそ君には・・・には生きて欲しい」


真っ直ぐ私を見る二つの瞳


「きっとルヴァイド様も同じ様なことを思う筈だ」

「ルヴァイド様?」

「あぁ、君が目を覚ました時に僕の隣にいた人だ」


あの赤髪の人か


「私、そのルヴァイド様にも誤らなければいけないわ」


様付けされるくらいなのだから軍の中でも上の位の方なのだろうし・・・


「ルヴァイド様も気にしていないと僕は思うが・・・」


それに、イオスがこんなに信頼している上司ならば、そのルヴァイド様も立派な人なのだろう


「けじめはちゃんと付けなけきゃいけないって子供の頃から教わっているの」


そう言って立ち上がり、テントから出ようと進もうとした時だった


「ちょっちょと待つんだ」


がしっと腕を掴まれた


「何故?」

「ふぅ、君は忘れたのかい?ここは軍隊だと」

「・・・あっ」

「君は駄目なんだろう男が、それに君の存在を知っているのは僕を含めて3人だけだ。
 何があるか分からない以上他の隊員に見つかってしまっては非常にまずいんだ」


イオスの心使いも嬉しかったが、それ以上に私が迷惑をかけてしまっている事に改めて気づかされた


「じゃぁ私はずっとここから出られないの?」


こんな事でも迷惑をかけてしまうなんて・・・

そもそも助けてもらった時点でも十分迷惑だったんじゃ・・・

そう考えると顔は俯き気が重くなる


「あぁそうか、・・・手はあるけど君次第なんだが・・・」


その言葉で僅かにだが希望が生まれた

私は顔を上げ彼をみた


「どうする?」

「考えがあるの?」

「あぁ、君に男の格好をしてもらうんだが・・・」


その問いかけの答えは決まってる

だって少しでも前に進まなければいけないから・・・


「やるよ、私」


これを無駄になんかしたくない


「わかった、じゃぁ僕は必要な物を取ってくるよ」


そういえば・・・私大切なことを忘れていた


「イオス」

「ん?どうしたんだい?」

「あの、助けてくれて・・・」


まだ大丈夫だよね私・・・


「どうもありがとう」


心からの感謝の気持ち、今私のできる精一杯の笑顔で


「こちらこそ、どういたしまして」


そう言ってイオスも笑ってくれた


「ちゃんと笑えるじゃないか、安心したよ」

「まだちゃんと言ってなかったし、これだけは言わないといけなかったから」

「そうか、じゃぁ僕は行ってくるよ」

「うん、待ってる」


そう言ってイオスは出て行った

よかった、私笑えてた・・・


「ありがとう、本当に――」


けれど心に残る跡・・・


・・・私まだ笑えたよ」


思い出すのは2人で笑ったあの日の夕暮れ


っ・・・」


あなたは今どうしてる?







BACKNEXT

☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆あとがき☆゜・*:.。.☆゜・*:.。.☆

はい、第3夜如何でしたでしょうか?少しは夢っぽくなったでしょうか?

夢主はどこか抜けてます。しっかり者ですが気を許すとボロがでたりします;

この話で夢主の男装が確定します。

次回予告→夢主の笑顔を見たイオスは?そして夢主の心境は?